「バス」のはじまり
1826年フランスのナントで公衆浴場の経営者(スタニスラ・ボードリー)が、浴場と市の中心部を往復する乗合馬車を運行させたのがはじまりと言われています。しかし、ボードリーは乗合馬車の乗客に浴場が目的地ではない人が多く乗っていることに気づき、乗合馬車の事業をスタートさせました。その乗合馬車はラテン語で「すべての人のために」という意味で「オムニバス(オムニビュス)」と呼ばれていました。そこからパリやロンドンでも乗合馬車が事業化され、いつしか英語圏でオムニビュスの短縮で「バス」と呼ばれるようになりました。その後、イギリスでは1831年に蒸気機関で動くバスが開発され、馬車から車道を走る車が「バス」となっていきました。
日本で一番〇〇なのは?
※すべて調査時点のものであり、変更になる可能性があります。(調査日時2018.1.4)
●日本で一番北にあるバス停とは?
日本最北端は、もちろん北海道、宗谷バスが運行する「宗谷岬」です。最北の駅「JR稚内駅」から更にバスで50分程走った先にあります。
●日本で一番東にあるバス停とは?
日本最東端も北海道、根室交通が運行する北海道の「納沙布岬」。最東端の有人駅「JR根室駅」からバスで45分程走った先にあります。
●日本で一番南にあるバス停とは?
日本最南端は沖縄県、八重山諸島の西表島。西表島交通が運行する「豊原」です。
●日本で一番西にあるバス停とは?
日本最西端は沖縄県の与那国島。最西端観光株式会社が運行する「久部良」です。
●日本で一番長距離を走るバスとは?
日本で一番長距離を走るのは西鉄高速バスと西武観光バスが運行する「Lions Express(ライオンズ・エクスプレス)」であると言われています。福岡から横浜市を経由し、埼玉県さいたま市まで1170キロの距離を所要時間15時間10分で走行しています。
●日本で一番長い時間を走るバスとは?
石見交通と中国ジェイアールバスが運行する「いわみエクスプレス」であると言われています。東京の新木場と鳥取県の津和野まで所要時間は15時間40分で走行しています。距離はライオンズ・エクスプレスより短いですが、一般道を走る距離が長いことで所要時間が長くなっているようです。
●日本で一番長距離を走る「路線バス」とは?
高速バスではない、一般道路を走行する路線バスは約1時間もあれば全区間を走り終えるのが一般的です。しかし、日本最長距離を走る路線バスといわれる奈良交通の新宮特急線は、なんと168.9キロメートルの距離を約6時間半かけて走行します!新宮特急線は近鉄大和八木駅を起点に、紀伊山地に入ります。十津川沿いを走って和歌山県に突入し、熊野川沿いを走行して終点のJR新宮駅へとたどり着く。その間のバス停の数は167か所で、料金は片道5,250円。この路線バスは世界遺産の「熊野本宮大社」や日本一長い吊り橋「谷瀬の吊り橋」も通過することから、観光を楽しみながら乗車することができて、そういった意味でも一般的な路線バスとは少し違ったバスあるといえるかもしれません。
●日本で一番長いバス停の名前とは?
日本で一番長いバス停の名前は「産総研つくば東事業所筑波研究支援センター入口(さんそうけんつくばひがしじぎょうしょつくばけんきゅうしえんせんたーいりぐち)」で、漢字交じり22文字・平仮名37文字です。こんなに長いバス停名が誕生した理由は、事業所名の変更にともない、バス停名を変更したためであり、最初から日本一を狙っていたわけではないようです。また、バス停名が長すぎることから、アナウンスを2回繰り返すことができず、1回のみアナウンスが流されています。
●日本で一番古いバス会社とは?
これには二つの説があり、まだ決着がついていないようです。正式な資料が残っているのは京都の二井商会。事業免許の記録も残っていることから、日本バス協会もこちらを「日本のバスのはじまり」と位置づけ、創業日の9月20日を「バスの日」と定めています。
一方、正式な資料は残っていないものの、京都の二井商会よりも8ヶ月早く、同年の1月に広島県広島市内で、12名乗りのバスが運行されたという記録が残されています。この頃のバスは、ガソリンエンジンであるものの車体は馬車の車体を用いたことから「馬なし馬車」とも呼ばれていました。京都説・広島説に決着がつく日はくるのでしょうか?
●日本第一号のバスガイドさんとは?
1925年、東京乗合自動車が遊覧バス(観光バス事業)で採用したのが日本で最初のバスガイドと言われています。但し現代の「バスガイド」のイメージとは異なり、男性でした。さらに大卒が条件とされ、給料が高い職業だったそうです。(当時、東京帝国大学の初任給が60円だったのに対し、おおよそ80円の給与をもらっていたとされている。)
●日本第一号の女性バスガイドさんとは?
1928年、九州観光の歴史を語る上でかかせないとも言われる、亀の井旅館の創業者油屋熊八が「別府温泉めぐり」のために運行させた「亀の井バス」で採用されたのが女性バスガイドでした。その後、男性バスガイドを採用していた東京乗合自動車でも経費削減のため、女性バスガイドを採用することとなり、全国に「女性バスガイド」が広まりました。
「バス」のお金にまつわる豆知識
バス1台あたりの価格は?

路線バスは約2,000万円〜3,000万円。
高速バス・観光バスは約3,000万円〜6,000万円。
仕様や内装によって価格は異なります。とはいえ、鉄道のようにすべて「オーダーメイド」で作られるわけではありません。「レディメイド」といわれる方法で、バスメーカーが所有している様々なタイプの基本形から車種を選び、ドアの位置や窓のかたち、座席数など細かい部分については要望通りに仕上げてもらいます。とくにわかりやすい部分では塗装で、バス会社によって異なる塗装が施され、バス会社へ出荷されます。
またローカルなバス会社は都会のバス会社の中古バスを調達することが多く、仕様や内装にばらつきがあるのが特徴的ともいえます。そして、最近話題のラグジュアリーなバスは1台で1億円を超えると言われる高価なものもあります。
ラッピングバスの広告料金って?
大きなバスに大きく描かれた広告には、つい注目してしまう人も多いのではないでしょうか。そんな誰もが目にしたことのあるラッピングバスの広告、いったい料金はいくらぐらいなのでしょう?バス会社によって異なるのはもちろん、同じバス会社でも路線によって異なるようです。
例えば東京で多くの人の目に触れる路線バスの場合、
1年間 約420万円
1ヶ月 約42万円
東京に比べると人口が少ない中国地方の場合、
1年間 約84万円
1ヶ月 約7万円
など、料金は全く異なることがわかります。またフルラッピングの他にハーフラッピングもあり、フルラッピングに比べると比較的安く広告を出すことができます。但し上記の金額はいずれも「広告掲載費」であり、広告制作料金・貼付・撤去料金などは含まれていません。
バスの車内アナウンス広告の料金は?
バスに乗車していない人にも宣伝効果があるラッピング広告バスと違って、バスの乗客に向けた広告となる「車内アナウンス広告」は一体いくらぐらいなのでしょうか?通勤や通学などで毎日同じ路線バスに乗っている方にとっては、同じアナウンスを繰り返し聞くことになるので、店名や病院名など耳に残っていてアナウンスの内容をそのまま丸暗記してしまう…なんてこともありますよね。
こちらの広告料金もやはりバス会社や路線によって異なるのですが、更にバス停によっても異なります。こちらも地方を走る路線バスと大都市を走る路線バスを例に比較してみると…
大都市を走るバス会社の中でも最も高いランクに設定されているバス停では
1年間 片道のみ 約210万円(往復315万円)
地方を走る路線バスのバス停では
往復100回まで 約9,000円
往復200回まで 約11,000円
上記のように金額が異なるだけでなく料金形態もバス会社によって大きく異なることがわかります。
「バス」といえば、どんなバスを思い浮かべますか?
これらのバスは(道路運送法上)大きく2つに分類されています。
「乗合バス」と呼ばれる「一般乗合旅客自動車運送事業」と、
「貸切バス」と呼ばれる「一般貸切旅客自動車運送事業」です。
では、「乗合バス」とはどのようなバスなのでしょうか?
一般的には決められた路線(バスの走る経路)を定期的に運行し、設定された運行系統の停留所で乗客が乗り降りする運行形態のことをいいます。また「高速バス」と呼ばれる高速道路上を走るバスも乗合バスに該当します。
数字で見る乗合バス事業

※国土交通省「乗合バス事業の現状について」より

※国土交通省「乗合バス事業の現状について」より
これらのデータから、15年の間に輸送人員が減少したにもかかわらず、乗合バス事業者数は著しく増加していることがわかります。但しこれらの背景には平成14年の「乗合バス規制緩和」の他、平成18年に乗合事業区分が変更され、「乗合タクシー事業者」なども乗合事業者として取り扱われるようになったことが大きく影響しています。
次に、「貸切バス」とはどのようなバスなのでしょうか?
依頼者の希望に応じて、車両単位で貸切輸送を行うバスのこと。同じ貸切旅客でも一般乗用旅客自動車運送事業 (タクシーなど) とは車両定員(11名以上は「バス」)で区別されています。観光バスやツアーバスなどもこれに該当します。

※国土交通省「貸切バス事業の概況」より

※国土交通省「貸切バス事業の概況」より
これらのデータから、乗合バスに比べて輸送人員が増加していることがわかります。
「バスの日」があるのをご存知ですか?
日本バス協会により、9月20日は「バスの日」と定められています。
その由来は100年以上も前、二井商会が京都市の堀川中立売−七条駅間と堀川中立売−祇園間において蒸気自動車を改良した乗合自動車で運行したのが始まりといわれています。初めての運行は1903年(明治36年)9月20日のことでした。その後、順調にバス事業が発展したわけではなく、明治時代はライバルの乗合馬車屋からの妨害や車両の故障が相次ぎ、本格的な営業の継続が難しかったという話もあります。
そして近年では毎年9月20日の「バスの日」にちなんで各地で「バスまつり」などのイベントが開催され、バスを身近に感じる絶好の機会となっています!
関西では「スルッとKANSAIバスまつり」が代表的なイベントとして知られています!
詳細はこちら
http://www.surutto.com/bus/
2017年度の「スルッとKANSAIバスまつり」は残念ながら台風の影響で中止となってしまいましたが、毎年たくさんの方で盛り上がっています!来年はぜひご家族でお出かけしてみてはいかがでしょうか?
ボンネットバスってなに?
ボンネットバスとは、日本でも古くから使われていたバスの形で、運転席よりも前にエンジン部分があるバスのことを指します。現在、主流となっているバスはエンジンが客席の下に隠れているので、より効率よく乗車スペースが設けられているといえます。通常の路線バスなどで使われることはほとんどなくなりましたが、各地で開催されるイベントや、レトロな街並みを引き立たせる観光資源として、現在も活躍している姿が見られます。
例えば、2017年5月に開催された「奈良県バス100周年記念イベント」では、写真展やゆるキャラ撮影会とあわせて、ボンネットバスの展示コーナーが設けられ、多くの来場客が記念撮影を行いました。またイベントにあわせて懐かしのボンネットバスを再現したペーパークラフトも販売されました!
商品詳細は
こちら